当院での出産を希望される方へ
当院で出産を希望される
すべての方を、
可能な限り受け入れます
当院には、総合周産期母子医療センターとして、地域の重症な母体・胎児・新生児を受け入れる使命があります。
ですが、妊娠経過に問題がない妊婦も可能な限り受け入れます。当院での出産を希望されたすべての方に、当院の高度な周産期医療のバックアップを提供できる体制を目指しています。
緊急受診
当院の産科に通院中の方で、緊急のご相談がある場合には、以下にご連絡ください。
平日 (9:00~ 17:00) |
052-741-2111(代表) 交換台から産婦人科外来におつなぎください |
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休日・夜間 | お渡しする資料に記載の電話番号にご連絡いただき、産婦人科病棟におつなぎください |
当院の取り組み
多職種連携による総合サポート
名大病院の強みは、様々な診療科やスタッフと連携し、安全な出産をサポートできることです。新生児科、小児外科、妊婦・授乳婦専門薬剤師はもちろん、臨床心理士、精神科、ソーシャルワーカー、認定遺伝カウンセラーとも日常的に連携を行い、妊婦の治療方針を立てています。
その他にも、腎臓内科、糖尿病・内分泌内科、血液内科、消化器内科、循環器内科をはじめ、妊娠に関連しやすい基礎疾患の診療科が網羅されているため、様々な合併症を持つ妊婦に対応できます。
小児外科疾患への対応
当院は、東海地方で、小児外科疾患のある新生児に対応できる数少ない施設の一つです。特に、先天性横隔膜ヘルニアの症例が多く集まっており、日本でも有数の施設となっております。その他にも、先天性肺気道奇形(CPAM)、腹壁破裂、臍帯ヘルニア、消化管閉鎖など、新生児期に手術が必要な症例を多く扱っています。これらの症例では、妊娠中からの胎児診断と、新生児科・小児外科との連携、そして患者さんへの適切な情報提供やメンタルケアが必要です。上記のような疾患が疑われた場合には、ご相談ください。
経験豊富なMFICUとNICU
母体・胎児の集中治療室であるMFICUを6床、新生児の集中治療室であるNICUを12床備えています。妊娠22週というとても早い時期の早産にも対応可能です。また、生後に手術が必要となる先天性疾患をもつ胎児のために、産科、新生児科スタッフも管理に精通しています。詳細な診療実績はこちらをご参照ください。
胎児治療
胎児胸水に対する胸水穿刺術およびシャント術を、地域に先がけて2014年から行っています。胎児貧血に対する胎児輸血も施行可能です。また、その他の胎児治療が必要な疾患(例:胎児先天性横隔膜ヘルニア、双胎間輸血症候群、等)については、当院で胎児治療の必要性を判断し、該当する胎児治療を実施している施設と連携して診療にあたります。
胎児治療の詳細な情報については、以下をご参照ください。
緊急帝王切開への迅速な対応
これまで特に問題のない妊婦であっても、妊娠中・分娩中の経過次第では、急に帝王切開が必要になることがあります。当院では緊急帝王切開に備え、夜間・休日でも産婦人科医が院内に3人常駐しています。中でも一刻を争う「超緊急帝王切開」のために、新生児科・麻酔科の協力のもと院内シミュレーションを行っており、胎児の急変時には手術決定から15分以内に児を娩出することを目指して訓練しています。
産科出血への対応
出血は今もなお、母体死亡の原因の大きな理由の一つです。当院では輸血製剤を院内に十分確保し、止血に重要なクリオプレシピテートも院内作製しています。出血するリスクが高い方や、稀な血液型の患者さんには、自己血の貯血も行っています。また、放射線科のバックアップにより、当院は産科出血に対する動脈塞栓術に24時間対応可能です。癒着胎盤など、出血するリスクが非常に高い症例では、IABO(大動脈内バルーンカテーテル遮断術)補助下での帝王切開や、状況によっては子宮全摘を行っています。
インターコンセプションケア外来
妊娠高血圧症鏡群、妊娠糖尿病、早産の3つは、妊娠中の代表的な合併症であり、次の妊娠でも再発しやすいことがわかっています。こうした患者さんが、次回妊娠のリスクを減らすための情報提供やアドバイスを行う場として、当科では2024年1月に「インターコンセプションケア外来(完全予約制・自費)」を立ち上げました。
よくある質問
NIPT(非侵襲性母体血胎児染色体検査)や羊水染色体検査をできますか?
はい。当院は出生前検査認証制度等運営委員会に認証された基幹施設です。NIPTや羊水検査のみを目的としたご紹介にも対応します。検討されている方は担当医にご相談ください。なお、NIPTをご希望の場合には、夫婦そろっての遺伝カウンセリングの受診が必須です。ご希望の際は初診時に夫婦で来院いただければ、初診当日に遺伝カウンセリングの受診も可能です。NIPT実施時の受診の流れ、費用についてのページをただいま準備中です。
なお、母体血清マーカー検査、絨毛染色体検査、全ゲノム解析による出生前検査には対応していません。
NIPTや出生前検査の情報を詳しく知りたい方は、以下のサイトもご参照ください。
胎児超音波スクリーニングのみの受診(いわゆる胎児ドック)はできますか?
申し訳ありませんが、胎児超音波スクリーニングのみの受診には対応しておりません。お近くの実施施設を受診ください。当院かかりつけの患者さんには、担当医が適宜、胎児超音波スクリーニングを行います。
分娩費用を教えてください
単胎の正常分娩で7日間入院したと仮定した場合、約70~75万円です。
詳しくは病院ページ(出産時の費用について)をご参照ください。
立ち合い出産は可能ですか?
はい、可能です。妊娠30週前後に立ち合い出産のための説明書・同意書をお渡ししますので、注意点をご確認の上、ご希望される場合には入院時に同意書をスタッフにお渡しください。原則、夫のみ立ち合いを許可しています。緊急時等、状況に応じて立ち合いができない場合があることはご了承ください。また、帝王切開の場合は、特別な事情がない限り立ち合いはできません。
無痛分娩はできますか?
はい、可能です。当院では硬膜外麻酔による無痛分娩を、計画分娩にて行っております。無痛分娩の計画をご希望の際は、外来受診時に担当医にご相談ください。費用は通常の分娩費用に加え、一律106,000円です(2025年1月現在)。麻酔の時間や効果などで費用は変わりません。ただし、予定外の陣痛発来時には、無痛分娩を実施できないことがあります。無痛分娩のための麻酔薬を使用しなかった場合には、費用はいただきません。詳細についてのページをただいま準備中です。
無痛分娩の一般的な情報を詳しく知りたい方は、以下のサイトをご参照ください。
当院はJALA(無痛分娩関連学会・団体連絡協議会)掲載施設です。こちらをご参照ください。
TOLAC(帝王切開後経腟分娩)を実施していますか?
はい、実施しています。実施にあたっては、TOLACのメリット、デメリットを十分ご理解いただく必要があります。また、前回の帝王切開の状況により、TOLACが行えない場合もございます。TOLACを検討されている方は、外来受診時に担当医にご相談ください。
産後の入院生活はどのようなものですか?
経腟分娩では産後5日目の退院、帝王切開分娩では手術後7日目の退院を目安としています。産後の哺乳相談、沐浴相談、退院後の生活についての不安、入院中になんでもご相談ください!また、産後に一度、お祝い膳を準備させていただきます(アレルギーや食事制限がある場合には提供できない場合もございます)。
分娩立ち合い以外の面会可能時間は、病院の規定通り平日15:00~19:00、休日10:00~19:00、2名まで、30分以内です。当院の方針として、中学生未満の方は原則面会いただけません。面会の手順はこちらをご覧ください。
胎児の疾患を指摘されています。参照できる情報はありますか?
出生後に外科手術を必要とする先天性疾患について当院の小児外科が情報を発信しておりますので、ぜひご参照ください。
- Medical Note:横隔膜ヘルニアとは?胎児期に発症する横隔膜ヘルニアの症状や診断方法について
- Medical Note:嚢胞性肺疾患とは?症状や診断のきっかけは?
- Medical Note:肺分画症とは?肺葉内か肺葉外かで症状や治療法が異なる
- Medical Note:臍帯ヘルニア
胎児治療を要する疾患(双胎間輸血症候群、胎児胸水、胎児横隔膜ヘルニアなど)の詳細については、
以下のページをご参照ください。
その他の疾患についても、有用と思われる情報源を集めました。
女性の医師を希望できますか?
申し訳ありませんが、当院の診療体制上、診療するスタッフを常に女性に限ることは難しい状況です。宗教上の理由で女性の医師を希望される場合には、可能な範囲で対応させていただいております。
人工妊娠中絶をできますか?
申し訳ありませんが、他の施設で実施困難な場合など、特殊な症例に限らせていただいております。