産婦人科へのお誘い
あなたが医師を志した理由は
なんですか?
成績が良かったから、開業医を継がなければいけなかったから、ブラックジャックに刺激されて、、などさまざまでしょう。
大きな理由がどんなものであれ、ひとの役に立ちたい、病気を治して喜んでもらいたい、やりがいのある仕事をしたい、という純粋な気持ちが根底にはあると思います。
産婦人科は、社会から必要とされ、患者さんと喜びを共有し、生命の誕生という神秘に立ち会える、まさにやりがいのある仕事だと感じます。
産婦人科にできること
産婦人科でできることを簡単に分野別にご紹介します。
周産期分野
少子化、出産年齢の高齢化、不妊治療の拡大、などの要因もあり、ハイリスク分娩も増えています。また、出生前診断や胎児治療の進歩に伴い、適切な周産期管理を行うことで、より一層の治療成績向上が期待されています。小児科と連携を取り合い、最善の妊娠・分娩の管理をするのも、産婦人科の醍醐味のひとつです。どんな赤ちゃんも一番良い状態で産まれてくるよう、人間の一生の大事なスタートに関わることはとても素晴らしく、喜びの瞬間が多いのは他の科にはない面だと思います。平成24年度より総合周産期母子医療センターとして、MFICU(母体・胎児集中治療室)が整備され、これまで以上に母体搬送数が増加していく予定です。基幹施設でもあり、周産期専門医の取得を考えている方にお勧めします。
不妊生殖分野
日本では、出産年齢が高齢化している傾向にあり、それに伴い不妊治療が目覚ましい発展をしています今後も需要が増える分野であると思います。当院では合併症を抱えた不妊患者の方も多く、他科とも連携して、それぞれの方に最善の治療を提供できるよう心がけています。また、がんなど妊孕性低下が予想される治療の前に妊孕性温存療法を行う「がん・生殖医療」や不妊症・不育症・重篤な遺伝性疾患のための「着床前前診断」といった最新の分野にも携わっています。さらに、生殖年齢に好発する子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患に対しても産婦人科医は手術や薬物療法を行います。良性の疾患であっても妊孕性には大きく影響することもあるため、患者の将来を見据えた視点も必要になります。さらには、化学療法や放射線療法を受ける方に対する妊孕性温存などについても、今後産婦人科医が大きく関わって行く分野になるでしょう。
内分泌分野
月経不順のホルモン療法、更年期症状に対する漢方治療、ホルモン治療など、女性のQOLの改善に貢献できます。
腫瘍分野
婦人科癌は子宮頚癌・体癌・卵巣癌が主なものです。手術・化学療法・放射線治療など集学的治療が行われています。他臓器の癌に比べ、化学療法、放射線治療が有効なものが多く、やりがいのある治療となります。近年は、分子標的薬剤を含めた新しい化学療法の開発,重粒子線,陽子線照射装置などによる放射線治療も導入されています。
産婦人科には女性医師のみが
望まれているか
ここ数年女性医師の増加もあり、産婦人科でも女性医師の数が増加しています。
患者が女性だけという特色もあり、女性医師が望まれているというイメージがあると思います。しかし、本当に求められているのは、「やさしく、誠実で、腕のいい医師」なのです。それには、性別は関係ないのです。
女性医師が稀有であった時期は過ぎ、男性医師への期待は確実に上昇している時代になってきていると思います。大事なのは性別ではなく、目の前の患者さんに真摯に向き合う姿勢なのです。
女性医師の出産、育児について
女性医師の離職率が男性に比べて高く、出産、育児をしながら仕事を続けていくことへのサポートがまだまだ足りないことが明らかです。女性医師の多い産婦人科では、男性が圧倒的に多い科よりも、早くから切実な問題として女性医師の就労サポートに取り組んでいます。日本産科婦人科学会でも、愛知県の産婦人科医会でも、問題に取り組んでいます。具体的には、愛知県の産婦人科学会では、託児所がもうけられるようになり、育児中の医師も学会に参加しやすくなりました名古屋大学産婦人科では育児中の女性医師も多数在籍し、育児と仕事の両立やキャリア形成などに関して気軽に相談しあえる環境です。また男性の育児休業を取得や、お子さんの急病への対応も男女関係なく業務の調整ができるよう心がけています。名古屋大学産婦人科学教室は今後も医師就労環境の改善に取り組んで行きます。
お問い合わせ先
入局や研修システムの詳細等に関しましては、ご遠慮なくご連絡ください。
名古屋大学医学部産科婦人科学教室
〒466-8550
名古屋市昭和区鶴舞町65
医局長 中村 智子
なお、この連絡先は医局業務専用です。病状のご相談や診療内容のお問い合わせは、病院代表(052-741-2111)を通して産婦人科外来にご連絡ください。